◎ロルカ『ジプシー歌集』注釈 ◎ロルカ『ガルシア・ロルカの世界』1998年8/9月刊行

此の二冊の本は生誕100年記念ということで出版された。『ジプシー歌集』注釈は小海永二氏である。小海さんはH.ミショーの訳者として知られているがぼくは旧知である。ぼくの75年詩画集アンリミショー『魔法の国にて抄』の訳者でもある。横浜国立大のプロフェッサーだった頃、広尾だったか、お家を訪ねたこともあるが今もお元気なのであろうか...。
スペインの吟遊詩人ロルカ『ジプシー歌集』についてたいへん売れた詩集ということ、スペイン全土でこれほど詩集が売れたことは無かったそうでグラナダやマドリッドでは多くの批評家の絶賛をうけた。その人気は普段、詩を読まない人々に巷で朗読されるほどだったが友人の画家ダリは「旧い形式」に縛られた「古い詩」だと痛烈だったそうである。ダリの影響もあってロルカの詩は変遷していくのだがこの本の巻末付録にロルカ自身の講演原稿があり『ジプシー歌集』の自作解説をしている。ダリほどではないが痛烈に批判したい[詩や詩人]はぼくにもあるが友人でもないから言えないなあ、やはり。ロルカの『ジプシー歌集』はボードレール『悪の華』とランボー『地獄の一季節』などと並び世界中に研究者を多く擁していると、あとがきにある。ぼくも3册とも研究とまではいかないがよく読んだくちである。
●A5判上製本。320頁の厚みを持つ。イラストはロルカ自身の素描を使った、金箔押しである。表紙はサンド、見返しはJフェルト。扉はカラーサンド、カバーはOKしろもの、いつもはマットな加工だったがこのときばかりは表面はグロスコートをしている。イスパニア叢書3。

●赤い本(四六判ソフトカバー)は『ガルシア・ロルカの世界』イスパニア叢書2。32人の文章を3人の編者が編纂したもの。松永伍一さんやいまヒット中の時代小説家、佐伯泰英さんや女優の(故)岸田今日子さんらの文章もみえる。むろん小海さんも。やはりロルカは人気詩人ですね。帯に「ガルシア・ロルカは二度死んだ詩人であった。一度は彼自身の詩の中で死に、二度目は、スペインの内乱で、フランコ軍に処刑されて死んだ...」と寺山修司「黙示録のスペイン」からの抜粋がある。真っ赤な本にしたのはこのオビ原稿に刺激されたから...。ともかく「赤い本」にと。
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